3Dプリンタ市場で注目を集めるBambu Lab(バンブーラボ)シリーズ。
初心者向けのコンパクトモデルから、高速プリントや高機能材料・高強度材料に対応した高機能モデルまで、幅広いニーズに応える5機種を展開しています。
本記事では、各モデルを選ぶ際に確認すべきポイントを解説し、具体的な比較を通じて、最適な機種を見つけるためのサポートをします。
なお、筆者はBambu Labからの商品提供を受けておらず、自腹でP1Sを購入しています。
よって、本記事では忖度なく実際の使用経験に基づいた公平な視点で、機種ごとの特徴や違いをお伝えします。
Bambu Labに目を付けたあなた!お目が高い!
この記事にたどり着いたということは、Bambu Labシリーズの購入を検討されていると思います。
そのご判断は間違いありません。(上から目線でごめんなさい)
私が初めて3Dプリンターを使用したのは今から10年以上も前です。
その後、業務用から家庭用に至るまで、様々な種類、メーカーの3Dプリンターを使用してきました。
その上で断言します。 Bambu Labは3Dプリンター業界のiPhoneです。
現在、各インフルエンサーの方々が様々な機種を紹介されていると思います。ですが、正直2024年の今から買うなら
3DプリンターはBambu Lab一択です。
それも「家庭用」「業務用」どちらもです。
そのため、当ブログもBambu Lab以外の情報は一切載せていません。
本記事では、Bambu Labシリーズの5機種(A1 Mini、A1、P1S、X1C、X1E)を徹底比較。
それぞれの特徴や性能を詳しく解説し、この記事を読めば、あなたにとって最適な1台が必ず見つかります!
Bambu Lab 5機種比較表
今回紹介する5機種の比較表です。
見やすいためPC表示がオススメです。
PCで表示した場合は「 」にカーソルを乗せると、各項目の説明が表示されます。
気になる機能を比較し、納得の1台を選定しましょう!
項目 | A1 mini Combo | A1 Combo | P1S Combo | X1-Carbon Combo | X1E Combo |
---|---|---|---|---|---|
おすすめユーザー | 「初心者に」 | 「趣味に」 | 「副業に」 | 「上級者に」 | 「本業に」 |
外観 | |||||
価格 | ¥ ¥58,800 12/6まで | ¥ ¥69,800 12/6まで | ¥ ¥123,000 12/6まで | ¥ ¥219,000 12/6まで | ¥458,000 |
購入先 |
Amazon
公式サイト サンステラ |
Amazon
公式サイト サンステラ |
Amazon
公式サイト サンステラ | ※Amazonでの販売無し 公式サイト サンステラ | ※Amazonでの販売無し 公式サイト サンステラ |
本体仕様 | |||||
造形サイズ L×W×H | 180×180×180 mm | 256×256×256 mm | 256×256×256 mm | 256×256×256 mm | 256×256×256 mm |
外形サイズ L×W×H ※AMS含まず | 347×315×365 mm | 465×410×430 mm | 389×389×458 mm | 389×389×457 mm | 389×389×457 mm |
重量 ※AMS含まず | 5.5kg | 8.3kg | 12.95g | 14.13kg | 16kg |
AMS | AMS Lite | AMS Lite | AMS | AMS | AMS |
エンクロージャー | - | - | あり | あり | あり |
フィルター | - | - | 活性炭フィルター | カーボンフィルター | 活性炭+HEPAフィルター |
造形速度 | |||||
最大速度 | mm/s | 250mm/s | 500mm/s | 500mm/s | 500mm/s | 500
最大加速度 | mm/s² | 10,000mm/s² | 10,000mm/s² | 20,000mm/s² | 20,000mm/s² | 20,000
押出機 | |||||
押出ギア材質 | 焼入れスチール | 焼入れスチール | スチール | 焼入れスチール | 焼入れスチール |
ノズル材質 | ステンレススチール | ステンレススチール | ステンレススチール | 焼入れスチール | 焼入れスチール |
ノズル直径 | 標準:Φ0.4mm オプション:Φ0.2, 0.6, 0.8mm | 標準:Φ0.4mm オプション:Φ0.2, 0.6, 0.8mm | 標準:Φ0.4mm オプション:Φ0.2, 0.6, 0.8mm | 標準:Φ0.4mm オプション:Φ0.2, 0.6, 0.8mm | 標準:Φ0.4mm オプション:Φ0.2, 0.6, 0.8mm |
最小積層厚 | 0.08mm(Φ0.4mm) 0.06mm(Φ0.2mm) | 0.08mm(Φ0.4mm) 0.06mm(Φ0.2mm) | 0.08mm(Φ0.4mm) 0.06mm(Φ0.2mm) | 0.08mm(Φ0.4mm) 0.06mm(Φ0.2mm) | 0.08mm(Φ0.4mm) 0.06mm(Φ0.2mm) |
ノズル最高温度 | ℃ | 300℃ | 300℃ | 300℃ | 300℃ | 320
造形台 | |||||
プレート最高温度 | 80℃ | ℃ | 100℃ | 100℃ | 120℃ | 120
ビルドプレート種類 | フレキシブル スチールプレート | フレキシブル スチールプレート | フレキシブル スチールプレート | フレキシブル スチールプレート | フレキシブル スチールプレート |
対応材料 | |||||
一般材 PLA, PETG, TPU | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
エンクロージャー必須材料 ABS, ASA | - | - | 対応 | 対応 | 対応 |
カーボンフィラー入 PLA-CF, PA-CF | ※ | ※ | ※ | 対応 | 対応 |
高機能エンプラ系 PPA-CF, PPS-CF | - | - | - | - | 対応 |
センサー | |||||
自動流量補正 | アクティブ流量補正 | アクティブ流量補正 | 手動補正 | マイクロライダー | マイクロライダー |
オートレベリング | あり | あり | あり | あり | あり |
フィラメントセンサー | あり | あり | あり | あり | あり |
環境温度制御 | - | - | - | - | あり |
ユーティリティ | |||||
解像度 | ローレートカメラ | 1920×1080ローレートカメラ | 1920×10800.5fps | 1280×720フレームレート情報無し | 1920×1080フレームレート情報無し | 1920×1080
LED照明 | あり | あり | あり | あり | あり |
ディスプレイ | カラータッチパネル 320×240pix | 2.4インチカラータッチパネル 320×240pix | 3.5インチモノクロ液晶 192×64pix | 2.7インチカラータッチパネル 1280×720pix | 5.0インチカラータッチパネル 1280×720pix | 5.0インチ
通信 | Wi-Fi | Wi-Fi | Wi-Fi | Wi-Fi | Wi-Fi / 有線LAN |
購入先 | Amazon 公式サイト サンステラ | Amazon 公式サイト サンステラ | Amazon 公式サイト サンステラ | ※Amazonでの販売無し 公式サイト サンステラ | ※Amazonでの販売無し 公式サイト サンステラ |
迷ったら『P1S』!初心者からプロまで満足できる万能モデル
結局どれが良いの?と迷われる方にぜひオススメしたいのが「P1S Combo」です!
シリーズ中最もコストパフォーマンスに優れ、初心者からプロまで幅広い方へオススメできるモデルになっています。
まさかAmazonでここまで安くなるとは…(⚠在庫切れ注意⚠ 11/29現在)
P1Sをオススメしない方
下記のような方はP1S以外の機種が適している場合があります。
- 予算が足りない方
- 作るものが決まっていない方
- セキュリティを気にされる方
予算が足りない方
P1S Comboはコストパフォーマンスは非常に高いですが、絶対的な価格も約15万円と個人で買うには少し躊躇する金額です。
そこまでの金額が難しい場合、A1 もしくは A1 mini がオススメになってきます。
作るものが決まっていない方
作るものが決まっていない場合、せっかく買ってもほとんど使わなくなってしまうこともありえます。
作りたいもののイメージを持つと、おのずと買うべきプリンターが見えてきます。
セキュリティを気にされる方
P1Sのネットワーク接続はWi-Fiのみに対応しています。
造形データのやり取りだけであれば、P1Sもmicro SDカードで可能ですが、セキュリティの厳しい企業では使用できないことが多いです。(私の会社が実際そうでした)
企業等で有線LAN接続が必要な場合は必然的に「X1E」を選ぶことになります。
P1Sがオススメな方
逆に以下のような方にはP1Sがおすすめです!
- 高速造形を求めている方
- 造形時の手間をなるべく減らしたい方
- ABS等高強度の材料を使用されたい方
高速造形を求めている方
A1シリーズとP1S以上のシリーズでは最高速度と最高加速度に違いがあります。
値が大きいほど造形時間が短縮されます。
項目 | A1 mini Combo | A1 Combo | P1S Combo |
---|---|---|---|
最高速度 | 250 mm/s | 500 mm/s | 500 mm/s |
最高加速度 | 10,000 mm/s² | 10,000 mm/s² | 20,000 mm/s² |
小さなモデルでは数十分、大きなモデルでは数時間単位で差ができることもあります。
急ぐシーンが想定される方はなるべく高速の機種を選ばれることを推奨します。
造形時の手間をなるべく減らしたい方
A1シリーズとP1Sには「AMS(Automatic Material System)」に違いがあります。
A1シリーズの「AMS Lite」はオープンタイプの設計で、材料を放置すると湿気を吸収する可能性があり、毎回セットし直す手間が発生します。
一方、P1Sに搭載されたAMSは密閉型の構造により、湿気を防ぎます。
材料を常にセットしたまま保管できるため、造形を即時開始することが可能です。
この便利さに慣れると、AMS 無しには戻れなくなるほど快適です。
特に、3DプリンタをPCから離れた場所に設置している場合、この機能が手間を大幅に削減します。
ABSなど高強度の材料を使用されたい方
ABSなどの高強度材料を使用するには、温度を安定させるエンクロージャーが必要です。
A1シリーズやA1 Miniにはエンクロージャーがありませんが、P1Sには囲いがあり、反りや定着不良、クラック(ひび割れ)を防げます。
さらに、有害ガスの遮断にも役立つため、健康面でも安心です。
ABSなどを使いたい方には、エンクロージャーを備えたP1Sがベストバイとなります!
どれを買えばいい?機種選びのポイント8選
ここではBambu Labの機種選びをする上で比較すべきポイントを解説します。
1.価格
Bambu Labの価格はエントリーモデルのA1 miniで5万円台、ハイエンドのX1Eで40万円台と大きな開きがあります。
高価格帯のモデルのメリットは以下です。
- 造形速度が速い
- 造形サイズが大きい
- エンクロージャー付で安全性が高い
- 高機能材料など造形可能な材料種類が豊富
- 操作画面が大きくユーザビリティが高い
- 有線LAN接続対応でセキュリティが高い
一方で造形精度に大きな差はありません。
エントリーモデルのA1シリーズでもリニアガイドレールが使用されており、高価格帯のモデルと遜色ないプリントが可能です。
予算や使用用途に合わせて最適な1台を選択していきましょう!
2.外形サイズ
次に気にしたいのが〝外形サイズ〟です。
せっかく買った3Dプリンターも置き場所がなければ宝の持ち腐れ……
そのため個人的には価格よりも重要だと考えています。
特に、A1シリーズは造形テーブルが前後に可動することと、AMS Liteの置き場所も考慮に入れる必要があります。
3.造形サイズ
3Dプリンターの決め手として重要なのが〝造形サイズ〟です。
作りたいものが決まっている方は、予め必要なサイズを見積もっておくことをオススメします。
また、大きな造形サイズは、大きなものをプリントするだけでなく〝一度にたくさんのものを造形する〟場合も有利です。
造形サイズが大きいメリットは以下です。
- 大きなものを造形できる
- 複数種類のものを一度に造形できる
- 同じものを大量生産できる
一度にたくさんのものを造形しようとすると、造形時間は長くなりますが、夜間等の時間を有効に活用できるようになります。
〝大は小をかねる〟ため、予算や置き場所に余裕があれば、造形サイズが大きな機種の選択がオススメです。
4.造形速度
造形速度が速いほど短時間でものが完成します。
小さなものであれば、数分から数十分の差しか生まれませんが、大きなものや、たくさんのものを同時に造形すると大きな差になります。
とは言え、A1 miniでも数年前の機種に比べると、十分に高速機と言えます。
5.「開放型」or「密閉型」
簡単に言うと「箱に覆われているか」の違いです。
P1S以上の中価格帯モデルは「密閉型」になり、「エンクロージャー付き」などと表現されることもあります。
以下に密閉型のメリットをまとめました。
- ABS等の高強度材料を造形できる(造形時の温度を保つことができるため)
- 騒音を抑えられる
- 匂いや有害物質の飛散を抑えられる
- 高温になる造形テーブルやノズルが覆われているため安全性が高い
- 造形テーブルが前後に動かないため開放型に比べてコンパクト
- 見た目がカッコイイ
6.ユーザビリティ
造形物のクオリティには関係ないものの、普段の使用での使いやすさに関わるのがユーザビリティです。
下記に確認したい項目をまとめました。
- 操作パネルの仕様(画面サイズ、解像度、タッチパネル、カラー)
- カメラの仕様(解像度、フレームレート)
- LED照明の有/無
- 自動流量調整の有/無
- オートレベリングの有/無
7.超高機能材料対応
PPSやPPA等、エンジニアリングプラスチックと言われるような高機能材料で造形したい場合は、下記のような点の確認が必要です。
- ノズル最高温度(なるべく高く)
- プレート最高温度(なるべく高く)
- ノズル、押出ギア材質(焼入れ品か)
- エンクロージャー有り
- 環境温度制御機能(チャンバー機能)
8.ネットワーク接続仕様
Bambu Labシリーズは全機種Wi-Fiに対応しています。
有線LAN対応機種はハイエンドのX1Eのみです。
企業等でセキュリティが厳しい場合、外部機器がWi-Fi環境にに接続可能かは事前にIT部門へ問い合わせましょう。
初心者なら『A1 mini』!小さくても高性能なコスパ重視モデル
「P1Sがカッコいいし、性能も優れているのは分かるけれど、価格が少し気になる……」
という方もいるのではないでしょうか?
そんな方にオススメしたいのが、Bambu Lab A1 miniです。
小型ながら必要十分なスペックを備えており、初心者の方でも安心して使えます。
実際、A1 miniを購入した知り合いが何人かいますが、口を揃えて『満足している』と言っています。
初めての3Dプリンターとして、A1 miniは間違いのない選択肢の一つです。
AMS Liteなしは公式かサンステラでは3万円を切る。正直安すぎる…
3Dプリンタを選ぶ上では “たくさん売れているか” も重要な視点になります。
なぜなら売れているものは情報も見つかりやすいからです。
不人気機種ではトラブルが起きたときに対処方法が見つからず困ることになりかねません。
そういった観点からもA1 miniは “推せる” 機種です!